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2026.01.10

スーツが短くて、細身ではいけない理由。

【Tailor Fukuoka -テーラーフクオカ- 銀座 Blog】

 

皆様こんにちは。

テーラーフクオカ銀座店の木村です。

 

先日、森博嗣さんのS&Mシリーズを

読み始めまして

幻惑の死と使途まで読み終わりました。

 

もう少しでこのシリーズは読破出来そうです。

 

さて、本日はこちらの紹介。

 

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以前、お話した事もありますが

スーツのサイズというのは

ある種の正解、模範、規範があります。

 

昨今は、ゆったりしたスーツが

流行になっており以前に比べれば

極端に短いものや細いものは

見かけにくくなりましたが

スーツというのは程よくゆとりを

付ける事を前提に作っています。

 

具体的に言えば

肩と胸回りにゆとりを設けて

ウエストでしっかりと絞る

そしてヒップに向かって

フレアに広がっていく

これがジャケットの理想的な形です。

 

重要なのは着丈を短くしない事です。

 

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例えばですが

1枚目に比べて2枚目の方が

裾がややタイトに見えると思います。

 

こちらの様に裾の広がりが無いジャケットは

ウエストまでしっかりと絞っていても

バストや肩とウエストとの差寸

メリハリがないと美しいシェイプが

出てこないのです。

 

そして、このシェイプを

生み出すのに大切なのは

しっかりとバストと肩に

適切なゆとりを取って

着丈をしっかりとヒップが

隠れる位の長さにする事です。

 

もし仮に着丈を短くしてしまうと

ウエストから裾に向かって

広がっていくシルエットの

途中でラインが終わってしまうので

このような綺麗なシェイプが出ないのです。

 

このようなシェイプは

型紙やサイズによって

作り上げているものですから

実際のウエストサイズを極端に

タイトにする必要もなくなりますから

着用してもきつく感じにくくなります。

 

反対にここがしっかり出来ていない

ジャケットはスッキリ見せようと

極端にウエストを詰める事で

ウエストラインにシワが入り

スッキリというよりもきつそうで

逆にサイズが合っていないように見え

当然着心地も悪くなります。

 

また、肩についても同様で

稀に肩幅がタイト過ぎて

実際の肩よりもスーツの肩幅が

内側に寄っている方を見かける事があります。

 

(特にそうする為にか、

肩パットを抜いたジャケットが多いですね)

 

上記のように肩幅も

ウエストとのメリハリを付けるのに

重要なポイントですから

肩幅はしっかりとジャストサイズにする必要があります。

 

それに肩幅というのは

別にタイトにしたからと言って

細く見える事はありません。

 

何故ならば、どれだけ肩幅を

詰めたからと言って

ご自身の肩幅が変わる事がないからです。

 

実際の肩幅以上に詰めても

ただ、ただきつくなるだけで

見え方は変わらないのです。

 

スラックスも同様に

太ももにゆとりを設けて

ヒザに向かって絞りを入れて

そこから裾に向かってストンと落ちていく

これがスラックスの理想的な形です。

 

この時に重要なのは

裾を細くしない事です。

 

裾を細くするというのは

自身のスタイルを悪く見せやすいものなのです。

 

何故ならば

裾を細くしていくと

足回りの円形が段々と小さくなっていき

靴に当たりやすくなってしまうのです。

 

靴に当たってしまえば

余計なたわみ、余り、シワが出来ますから

これは美しくありません。

 

それを解消するには

股下も短くする必要が出てきます。

 

裾をしっかりと必要なゆとりを設けていれば

フルレングスでハーフクッションから1クッションを付けても

綺麗に履くことが出来ますが

もし裾を細く仕上げた為に

股下が2cm短くなれば身長が2cm短くなるのと同じです。

 

更には股上も同様で

股上を23cmで作るのと27cmで作るのでは

4cmの差があります。

 

股下と合わせれば6cmです。

 

身長が6cm短く見えれば

随分と印象が違うはずです。

 

勿論、私はただ太く作れば良いと

そのように思っている訳でもありません。

 

最近はルーズシルエットが

トレンドですからスーツにおいても

裾幅が25㎝を超えるようなサイズもあるようですが

私がお勧めしているのは

あくまでも基本に忠実なもの

クラシックで中庸的なものです。

 

何事もやり過ぎれば

カッコよくありません。

 

そもそも私が言っているのは

細くしない、短くしないという事であり

太くする、長くするとという事ではないのです。

 

細くも短くもない

長くも太くもない

オーセンティックでクラシックな

スーツ本来のサイズで作るべきだという事であり

それこそがスーツ本来のサイズなのです。

 

実はスーツのサイズというのは

流行があり時代ごとに

かなり変わります。

 

1980年代頃のスーツというのは

アルマーニのソフトスーツの影響もあって

かなり、ゆったりしたサイズが中心であり

この前後の時代では、その影響を受けて

それ以前の時代よりも

また、それ以後の時代よりも

ルーズサイズが広く出回っていました。

 

実際にソフトスーツ程のサイズでなくとも

周りが皆、ルーズサイズのスーツを

着ているので細身のスーツを着られていた方も

ある程度はゆったりしたスーツを着ていくものです。

 

流れが変わるのは2000年代に入ってから。

 

ここから少し前まで見られていた

タイトで短いスーツが流行っていくのです。

 

そして、この頃になると

人々は皆一様の同じ事を思うのです。

 

「何だか、上の世代の人たちのスーツは

‘‘ぶかぶか‘‘でカッコ悪いなあー」

 

時代が変われば価値観は簡単に変わります。

 

常識やマナー、社会ルールなども然り

‘‘正しい‘‘と思っていた知識でさえも

簡単に変わっていくのです。

 

極端にルーズなサイズや

極端にタイトなサイズというのは

一時、スーツの歴史の中で見れば

ほんの瞬きのようなものでしかないのです。

 

そして、そのような瞬きのスーツを

着用しているとどうなるかというのは

既にご説明をした通りです。

 

「何だか、上の世代の人たちのスーツは

‘‘パツパツ‘‘でカッコ悪いなあー」

 

と。

 

いやいや。

 

であれば、その時代その時代に合った

スーツを着れば良いじゃないかと

思われる方もいるでしょう。

 

しかし、どうでしょうか。

考えてみて下さい。

 

昔はぶかぶかのスーツを着ていて

近年はパツパツのスーツを着て

さらに言えば、最近はまたクラシックな

スーツを着ている。

 

そのような方は周りに

いらっしゃいますでしょうか。

 

また、それほどまでに

時流を正確に把握して

それを生涯ずっと維持し続ける

センスと気力と自信はあるでしょうか。

 

寧ろ私達がいつ見てもカッコいいと

感じるスーツは

クラシック、オーセンティックな

ものではございませんか。

 

クラシックというは

好みによる差はあれど

今見ても、過去を見ても

そして未来を見てもカッコいいものなのです。

 

この辺りはこちらでも書いています。

 

ですので、スーツのサイズというのは

好みに合わせるのではなくて

ご自身の身体に合わせて作る事が

重要であり、そうすれば必然的に

短くて、細身にはならないのです。

 

 

 

銀座店 木村

 

 

私の洋服に関する考え方は下記に

書いてあります。

 

 

大切なのは自分を肯定しようとする自由。

夏物は合物である?

私がファッションを好きな理由。

ファッションを通して私が考えている事。

オールシーズンなど存在しない。

コートの着丈の正解はどこか?

ジャケパンにベストが必要な理由。

私物のシャツ紹介と小話

私がオススメしない理由と、、、

私がクラシック、オーセンティックを薦める理由。

自分と自信を持つことの大切さ。

「服を着るのなら、今この瞬間から」

スーツの着丈について思う事。

スーツのクリースについて思う事。

最近のスーツは太くない。

股上と股下が変わると見た目は、こう変わる。

本切羽は、外さない。

理想のスーツのサイズとは。

靴下の長さと色と柄について思う事

似合わない色とは何か。