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ブログ2025.12.27
このコート。その名をカバートコートと言います。
【Tailor Fukuoka -テーラーフクオカ- 銀座 Blog】
皆様こんにちは。
テーラーフクオカ銀座店の木村です。
先日、ふと気になり
ライプニッツの思想について
考えていました。
さて、本日はこちらの紹介。
CANONICO -【カノニコ】-
No. 27-3928 W100%
Order Coat ¥79,000+tax(¥86,900)
Order Balmacaan Coat ¥104,000+tax(¥114,400)
面白いコートをお作りいただきました。
英国好きな方であれば
見た事があるかもしれません。
こちらは、カバートコートと呼ばれるものです。
カバートというのは
隠れた、身をひそめるというような意味ですが
元々は1800年代後半に
貴族の狩猟用か
その際に従者に着せていたコートだと思われます。
当時は乗馬の際にも
着用していた為に
かなり短めの丈であったようですが
その後1930年代に街中でも
着られるようになり膝丈位の長さで定着しました。
個人的には正しくイギリスのコートという
イメージが強く日本はおろか
イギリス以外の国では
着ているイメージが全くありません。
ちなみに、私も数年前に
作っており今でも着用していますが
私以外でカバートコートを着用している方を
街中で見かけた事がありません。
特徴としては
①上衿のベルベット仕様
②フロントは比翼仕立て
③フロントは4つボタン
(これはカバートコートが誕生した当時は
4つボタンが主流であり
そのディテールがそのまま残った為です)
④袖口と裾に施されるレイルロードステッチ
(これは袖丈調整の為の目安であったという説もありますが
狩猟で着用をして背景からすると
純粋に枝や石等に擦れる事を想定して
補強の為にしていたという考えが
個人的にはしっくり来ます)
この辺りがあれば
カバートコートとして見なされると思います。
また、衿、身頃、袖、裾等
に入るステッチはミシンステッチの方が
雰囲気に合います。
生地は正しくカバートクロスという
肉厚でハリのある生地がありますので
そちらを使うのが一般的です。
通常のチェスターフィールドコートであれば
膝下丈でお作りするのがカッコいいですが
カバートコートの場合は
歴史に倣いジャスト膝丈位がおすすめです。
身幅についても
動きやすさという機能性を
求めた方が雰囲気に合いますから
ウエストはシェイプし過ぎずに
フロントダーツも無くしてお作りしました。
私は大好きなコートなのですが
正直、私以外でこのコートを
作る方はいないだろうと思っていたところ
まさかのカバートコートを作りたいと
お問い合わせをいただきました。
仕上がりも抜群にカッコ良かったので
写真を撮らせていただきました。
I様
この度は素敵なコートを
お作りいただきまして誠にありがとうございます。
人と被る事の無い
クラシックなで間違いのないコートです。
末永く楽しんでいただけますと幸いです。
※カバートコートのオプション価格は
資材関係などにより変動しますので
お問い合わせ下さい。
銀座店 木村
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