Blog

ブログ

2022.04.09

革鞄の補色と補修をする。

【Tailor Fukuoka Ginza Blog】

 

皆様こんにちは。

テーラーフクオカ銀座店の木村です。

 

先日、ファンタスティックビーストの

最新作を観に行きました。

最初から続編が

決まっている事もある為か

若干の消化不良感と

脚本の都合を感じる展開を

多く感じましたが面白かったです。

続編もまた観に行こうと思います。

 

さて、本日はこちらのご紹介。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

先日、こちらのブリーフケースを

購入しました。

価格はかなりお手頃で

全体的に革の質感も良い感じなのですが

細かい所に傷や色落ちが目立ちます。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

こういう所ですね。

 

正直、革製品のある程度のキズは

エイジングとして楽しんでしまうので

そこまで気にならないのですが

こういう細かい所以外は

すごく綺麗な状態なので

余計に目立つ感じがします。

 

スーツとは直接関係はありませんが

こういった小物はスーツスタイルに

関わってくるものであり

非常に大切なものだと

思っております。

 

という訳で今回は

こちらの補色と補修を

していきたいと思います。

 

※自宅での作業と撮影の為

写真が荒くなっております。

ご了承ください。

 

まず、初めに全体を

ブラッシングをしてホコリを

落としていきます。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

こういう内側やコバなどの

細かい部分のブラッシングも

してあげると良いと思います。

 

次に表面ついてある汚れを

落とすために水で濡らして硬く絞った布で

拭き上げていきます。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

今回は少し汚れていたので

布で拭きましたが

直接汚れた場合以外は

基本的に、ブラッシングだけで

日頃のケアは十分です。

 

稀にステインリムバーなどを使って

汚れを落とす方もいらっしゃいますが

洗浄力が強く、色落ちやシミ

革を痛める原因にもなりますので

個人的にはあまりバッグには

用いらない方がよろしいと思います。

(靴以外に使用しないで

下さいとも書いてありますので)

 

これで、表面の汚れを落としましたので

次に革に栄養を与えていきます。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

今回のバッグはブライドルレザーを

使用していますので

油分とロウ分が多く含まれている

クリームを塗っていきます。

 

もっとラフにお手入れするのであれば

レザーローションでさっと

拭いてあげる程度でも良いと思います。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

塗り終わると少し艶っぽくなり

繊維が引き締まった感じがします。

その後ブラッシングをして

クリームを延ばし、馴染ませます。

 

次に今回の本題でもある

コバや擦れている個所の補色をしていきます。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

使うのはサフィールの

レノベイティングカラー。

たまたま近くにスポンジがあったので

こちらを使っていますが

普通に布やブラシを使っても大丈夫です。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

どうでしょうか。

結構いい感じに補色出来ていると思います。

今回はそのまま塗りましたが

革の繊維が乱れている場合は

一度、やすりをかけて

革の表面を均してあげた方が

綺麗に染まりますし

綺麗に仕上がります。

 

ちなみに色を付けるだけであれば

靴クリームやコバインキでも

代用出来ると思いますが

顔料が入っていたり

水溶性の為に色移りする可能性も

高いのでおススメしません。

 

この段階でかなり綺麗になりましたが

折角ブログにするので今回は

もう少し、やってみようと思います。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

留め具の所が擦れて

キズが若干目立ちますので

今回はここも手入れしていきます。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

こんな感じで養生をして

真鍮用研磨剤で磨いていきます。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

キズが深いのと時短を求めて

紙やすりを使っていますが

軽いキズであれば布を使っても

綺麗になります。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

磨き終わりました。

 

バッグ,修理,補色,補修,ブリーフケース,クラシック,手入れ,

 

最終的にはこんな感じ。

携帯のカメラではあまり変化が

伝わらないかと思いますが

革のパサつきがなくなり

もっちりと柔らかくなり

かなり綺麗になりました。

 

 

革製品のお手入れは人それぞれで

正解があるものではございませんが

自分で手入れしたものというのは

自然と愛着が湧きますし

やってみると結構面白いと思いますので

ぜひ、皆様もやられてみては

いかがでしょうか。

 

 

 

銀座店 木村