Blog
ブログ2025.10.17
実はありませんでした
【Tailor Fukuoka-テーラーフクオカ- Shinjuku Blog】
こんにちは
テーラーフクオカ新宿店の豊島です。
当ブログではこの時期は常連である
Harris Tweed(ハリスツイード)の在庫の中に
今季に限っては見慣れない柄が混在しています。
それがこちらのグレンチェックです。
Harris Tweed -ハリスツイード-
No.57-4546 Wool 100%
Order Jacket Standard Line ¥74,000+tax(¥81,400)~
Order Jacket Prestige Line ¥89,000+tax(¥97,900)~
皆様にもお馴染みのヘリンボーンや
オートミール、カルゼなどはよく見かける柄でしょうが
意外にもハリスツイードのグレンチェックは珍しい柄です。
昔からなくはないのですが
珍しいがゆえ、仕入れる際に
なかなか出てこない柄でした。
グレンチェック(大きさ的にグレンプレイドとの呼称が
適しているかもしれませんがここでは便宜上グレンチェックとします)は
伝統的な柄の1つに数えられながらも
ハリスツイードでは相当な希少種なわけです。
ここからは私の愚察ですが
これはハリスツイードの法的な定義の一つである
ハンド・ウーブン(手織り)である、というのが
主たる理由だろうと思います。
(実はハリスツイードは法律によって定義されています)
生地を織られたことがある方は
理解しやすいと思いますが
グレンチェックの構成は
千鳥やヘアラインなど複数の柄を
変則的に織り進める関係で
織る作業としての工程は複雑になります。
(私もかつて手織りを実際にやってみたことがありますが
もうグレンチェックは組みたくないですね笑)
よって昔からグレンチェックなどの難易度の高い柄は
あまり量産をされてこなかったのだろうと推測しています。
※ヘブリディーズ諸島イメージ
織りが趣味としているような方からすれば
「あれがまた良いんだよ」と言われそうですが
元々ツイードを織っていた背景が
冬場の家内制手工業(生活費を得るための仕事)で
あることを考えると複雑な織りではなく
単純でより早く織り上がる無地調に
傾倒していくのが必然かと思います。
※スコットランド固有の羊イメージ
最近はツイード協会の加盟先も
かなりマニュファクチャー化が
進んでいると聞いていますので
それに伴い複雑な織り柄のハリスツイードも
よく出回るようになってきました。
その最たるところが今回のような柄なのでしょう。
そういった背景もあり
あの世界一有名なツイードであるハリスツイードも
変革をしながらものづくりをしているのだな、と
思うところあり取り上げました。
今期はこのグレンチェックだけではなく
意欲的なハリスツイード柄も多数仕入れがかないましたので
例年とは少し違った顔ぶれです。
どうか店頭にてご確認ください!
Harris Tweed Order Jacket ¥64,000+tax~
豊島
Staff投稿者豊島 [Toyoshima]

服飾系大学を卒業後入社し
現在はTailor Fukuokaにて企画会議や撮影などに参画。
メガネとヒゲ(たまにボウタイ)が特徴で
こだわり強めの一児の父。多趣味である。
新宿店店長